新選組へ ~ 連理之枝 ~
【土方】

しばらく食ってないから、サラサラのお粥を用意させたが、あいにく

口が開かない


「誠…食えって」


おさじを口にあててみるが、全く無反応

しばらく奮闘したが、駄目だった

「食ってくれよ」

水も飲まねぇ

「誠…頼むから…」


仕方ねぇな・・・







誠の鼻を摘まんだ


息をするため、開いた口に水を流し込むが

流れ出てくる


はぁーー



誠に嫌われんの嫌だけど


サラサラのお粥を口移しする

「ゴクン ゲホッ ゲホッ」

「ごめんな…頑張れな」

どうにか、茶碗のお粥を食べさせた

口移しで無理矢理、飲み込ませたんだけど

朦朧として、苦しそうな息をしている

ついでだ!

石田散薬も飲ませておいた!

誠を抱きしめ、背中を撫でてやる


クタリと眠りについたので、横にした



仕事をしていると



はあはあ はあはあ と、息を乱して顔を
顰めている


「誠?どうした?」

熱は、ない

怖い夢だろうか?


仕事をやめ、灯りを消した


前みたいに、抱きしめてやった

「大丈夫!お前には、新選組がついてる」


落ち着きを取り戻した誠をぎゅっと抱きしめ、眠りについた



翌朝




目を覚ますと、誠の寝顔があった

本当、誠がいるとよく眠れると感心しつつ

起き上がる


一昨日帰ってから、まだ寝ている

誠は、新選組でずっと働いてばかりだった

こんなに寝ている誠は、見たことない


今日は、総司が斎藤と誠を連れて
出掛けたいって言ってたな


動くのは、無理だろうな…

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