新選組へ ~ 連理之枝 ~
初めて母親に会った


宣下の取り消しは、出来ないと言われた

例え俺が女であっても


「このままバレないように過ごしなさい
もう、会いに来ないで」



わかってる


桂宮を継承したんだ

立場があるよな

今さら、来られて迷惑だよな


「さよなら」


黒谷へ向かった


どうにか間に合った


紅葉狩りのお茶会は、休ませて貰った

体調不良と母親に言われた言葉を

どうにかしたかった


何度も吐いた









宴には、参加した


新選組といると、ホッとする

伊東は、嫌いだけどな…


俺が寝れないと知ってるから

慶喜が庭で会おう


と、誘ってきた



待ち合わせの場所に、慶喜ともう1人の気配がした

慶喜は、知ってるようだった

佐々木かな


酒を飲みながら、語った


慶喜にお願いをした


「慶喜……俺を、解放してくれ」


ただの人に戻りたい

新選組にいた頃のように

普通の生活をしたい


答えは、ダメ






期待は、していなかった







体調不良の感じが、似ている


たぶん、間違いない

俺は、懐妊している


慶喜の子供だ



産みたい



世継ぎだのなんだのと、振り回されたくない


こんなとこは、父譲りだ


1人で産もう

俺は、決めた

年が明けたら、大阪城に行くことになっているから

その時に逃げよう


九州とかどこか遠くへ




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