新選組へ ~ 連理之枝 ~
一刻ほど眠り、目を覚ました

東「疲れた…まだ眠い
佐々木さん…このままここに泊まると
慶喜様に、怒られますかねぇ?」


コロコロと雰囲気がかわる


佐「怒られるかもしれませんね?」

東「んんんんんっはぁ~」

背伸びをして、ため息をついた

俺「輿を呼びましょうか?」

東「はい、お願いします!土方さん!」


やっぱり!!!佐々木殿にも俺にも

さん がついてる!!


東「どうしました?」

沖「誠?」


にこっ

東「誠さんでなくて、申し訳ないです
俺…素は、この喋り方です
東宮らしく、威張れって言われているので
ね?佐々木さん?」

佐「確かに、そのような喋り方でした
東宮様、誠もそんな感じでした」

東「そうですか!紛らわしいですねぇ!
むぅ…あっ!沖田さん!お加減は?」

沖「ふふふっ とても良いです!!」

東「では、明日の昼頃またここで!
その前に健康診断を受けて下さい!
治ってなければ、もう一度しますが
俺の力のことは、内緒ですよ!?」

全員が頷いた


東「さて、帰りますか」

俺「輿を呼びます」

東「あっ!やはり、歩いて帰ります!」

俺「大丈夫ですか?」

東「もう…歩けないかもしれないから
町を歩きます!佐々木さんもいますし
どうぞ、気になさらず!!
近藤さん…元に戻るといいですね
本当に、ご迷惑をかけて申し訳ないです」



また明日…


挨拶を交わし、別々の帰路を行く


沖「もう…一緒に歩くことは、無いんですね…
誠が行く道の反対へ、僕達は歩くんですね
誠は、ひとりぼっちじゃないよね?
土方さん?少し、さみしそうだと思いませんでしたか?」


俺「総司…誠は、笑ってたよ
あんなに無表情だったのに、今はさぁ…」


沖「似てると思いません?
僕と…?さみしいから、笑う
諦める為に笑う
本当の自分がわからないとき
自分で自分を騙す為に笑う
誠は、記憶があるかもしれません」



心臓がドクドクとうるせぇ



沖「何で、僕を治す必要があったの?
山南さんが脱走した日…
屯所にお香の臭いがしてました
あの日、誠は途中で逃げることをやめた
誠なら…逃げれたはず
僕達の為に、何か取り引きをしたとか?」


総司の憶測は、的を射ている


新選組の視察に、東宮様が来るなど
あり得ない…



俺「だとしても…高貴な身分にあるんだ
俺らがどうのと言えるわきゃねぇだろ?」

沖「明日…
はぁ~ずっと明日だったらなぁ」




総司の隣を歩きながら、来るときと
明らかに違い、元気な総司を見て


〝利用される〟


誠が、そう言っていたことを思い出した



労咳を治す力…



人の記憶まで操れる力…



ああああ!!!どうすりゃいんだ!!



沖「怖い顔…」


俺「あぁん!!」


沖「なんだかんだ、誠のことになると
土方さんも自分を見失うようですね?
土方さんも誠のこと、好きなのでは?」


ゴンッ


俺「馬鹿ばっかりいってんじゃねぇ!!」



ドキッ



そうかも…と思う俺は、誠が心配したように、男色かもしれねぇ…


ないない!!


そんなこと…ない!! …はず …たぶん



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