新選組へ ~ 連理之枝 ~
本当の気持ち
あれから…

睦仁の話し方、動き方、クセを記憶した

睦仁には、俺がどう生きてきたか、記憶をしてもらった

「其方達は、2人でひとり
危うい場面は、影が表へ
うまく入れ替われよ!!」

天子様と睦仁からは、〝影〟と呼ばれる

宮中に俺の存在を知るものは

天子様の側近、睦仁の側近と世話役

そしてお梢の6名だけだ


同じ着物を何着も用意させ


いつでも入れ替われるようにしている



睦仁は…よく笑う

俺は、うまく笑えない


お梢に睦と呼ばれると、自然に笑えるのに


睦仁と同じ振る舞いができるまで

1ヶ月かかった


将軍上洛


御所へ招き、ちょっとした宴をすることに


久しぶりに人前に出ること
うまく入れ替われるか…

家茂に見破られたら、どうしょう…


柄にも無く、緊張した


「睦?大丈夫です!笑ってないと!?」


仕事で、こんなに不安を感じることは
初めてだった


ガバッ


「お梢…俺は、存外弱い男だ
少し…このまま…」


「はい///
睦は、うまく演じるわ!」


俺達は、抱きしめ合った


「大丈夫ですよ!そっくりですもの!」


にこっ



お梢の顔を見ると、落ち着いた




にこっ




「お梢のお墨付きがあるんだ
うまくやるよ!ありがとう!!」







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