新選組へ ~ 連理之枝 ~
【誠】


父は、婚約者を亡くし悲しみに暮れる母の為

忘れさせたいと願い



母は、病弱な父の為

病を治したいと願い



俺は、皆の為

役にたちたいと願い



俺は、この力を持った






慶喜の怪我が現れた後

伊東さんに言われた



「自然に逆らってはいけない
この力は、確かに素晴らしい!
しかし、副作用がないとは限らない!!
現に君は、病や傷を体に移して
痩せてしまっている
君の大切な人が、副作用に苦しんだら
嫌でしょう?
私も、君が苦しむことを知っていたら
お願いしなかったよ…」



伊東さんの頬を涙がつたう


嘘のない優しさ

俺を想う心

迷いのない言葉



「どんなに遠く離れても、家族の絆は
変わらない…近くで苦しむくらいなら
遠くへ行きなさい」



ありがとう…



伊東さん




俺は、2度目だけど



京を離れる決心をした




だから、この恋心にも別れをしよう






< 290 / 323 >

この作品をシェア

pagetop