新選組へ ~ 連理之枝 ~
【柊花】


私が持っていた紙に書かれていた


『青空の日、必ず空を見上げること

どんなに遠く離れても

家族が同じ空の下にいる

生まれてくる子供には、誠と名づけること

どんな時でも、笑うこと』


そして、もう一つ





『新選組へ』





そう書かれた紙




中身は無かった




新選組が何かも知らない私





誠と2人、笑って生きてきた




ある日





紹介された住み込みの仕事


内容は、病人の看病だった


その方は、沖田 総司さん


なんと、新選組の方だそうで…


運命のようなものを感じた


世間の新選組の評判が悪く、誰も

沖田さんの看病をしたがらないのだとか


とても優しい方なのに、不思議


誠の世話を良くしてくれる


あらあら!!


私が沖田さんの世話をするんだった


頼りない私に、いつも新選組の話をしてくれる


楽しい



沖田さんが誠に似てるという



土方さんがやってきたときは



誠が大人になったら、こんな感じ


なんて、想像した


沖田さんが亡くなってから



沖田さんの知り合いの富沢さんという方を



頼るように言われていた





なんとなく、迷惑を掛けたくなくて






私は江戸を出た






今日も青い空






見上げると






そばにいるから




そう言われている気がした




沖田さんが教えてくれた




この青い空は、新選組の色なんだって




私は、新選組に守られているんだ




とても優しい





あったかい気持ちになった





新選組は、とても凄くて


私なんて、ちっぽけな一般人


だけど、誠と新選組がとても縁があるような気がしたから


私は、新選組がとても好き





「誠!綺麗な空だねぇ!」










おしまい
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