新選組へ ~ 連理之枝 ~
【藤堂】


帰ってきてから、誠は無理をしている

誠を見ていると、幼いころの自分を見ているようだ


まわりに馴染む為に、無理して笑おうって

全然、笑えてないって、気づかないんだよな……


多分、誠の気持ちわかるのは、俺か…
総司くらいだろう

土方さんに、誠と出掛けたいとお願いした

ニヤリと口角をあげ、怪しく

「いいぞ」

普通に、言えないのかな

男の俺から見ても、この顔でこんな言い方
……ドキッとするかんな!

気持ち悪ぃ




「誠!!」

「なんです?」

「明日、着いてきて欲しい所があって
土方さんの許しは、今貰ったから!
明日、よろしくな!?」

「はい、よろしくお願いします」







翌朝、朝餉が終わってから、門で待ち合わせした


誠の横になぜか、総司がいる……


「やぁ、平助!」


なにが?やぁなのさ?


「総司…どうしているの?」

「誠くんが平助と出掛けるってきいたから、一緒に行こうかなって?」

「……」

「嘘嘘!お見送りだよ!平助、着いてくるなって、顔に出てるよ!あははっ」

「どこですか?」

俺の顔をジロジロ見てくる、誠……

「もう…消した!!」

「見たかったな……」

「あはははははっ」

時々、誠はよくわからないことに興味を持つ

総司は、それを面白がる


総司の悪戯に巻きこまれると、面倒くさい
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