君に捧げる花束を
左隣に座るのは、赤ちゃんの頃からの幼馴染み。
朝川野風(アサカワノカゼ)。
波打った色素の薄い髪に、170もある高身長。
日本人離れした麗わしいお顔で、その分、他の人に少し冷たい印象を与えてしまう。
…実際は、自他共に認める変人なのだが。
名前の通り、野を吹く風のように気まぐれで。
黙っていれば、色っぽいお姉さんなのに、口を開けば飛び出すのは、粗野な態度と言動。
残念な美人とは彼女の為にあるんだと思う。
だけど、辛いときや、体調が悪い時にすぐ気がついてくれたり、私の異変を誰よりも察してくれる。
元気が出ないときには、持ち前の明るさで笑顔にしてくれるんだ。
まるで、本当の姉妹のような存在ーー。