2・5次元の彼女
ともあれ
イリーナの体当たり的な優しさは嬉しかった。
思わずふっと笑みが溢れる。

仕方がないなぁ。

はたまた、仕方がないのは自分自身か。
イリーナの後先考えない単純さ――素直さと言うべきか――に救われる。

景斗は意を決したように髪をかきあげると、キーボードを力強く叩いた。

『よし、イリーナ、王城へ行こう』
『おっ! 景斗、大きく出たね! あそこは難易度高いよ?』
『それくらいじゃなきゃ、本気になれない』
『了解! やりますか!』

イリーナがその身を翻した。スカートの裾がふんわりと舞う。
走り出したイリーナを追って、景斗もマントをなびかせる。

なんの解決にもならないけれど、ただ現実を忘れたかった。
それでいいんだと思った。
だって、そのためのゲームの世界なのだから。
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