2・5次元の彼女
「どうゆうことHARUさん。弱味って一体――」
景斗が問い詰めようとしたそのとき。

ピンポン

チャイムが鳴った。
ふたりの視線が音の方へと弾かれる。

「……ヒロインの到着みたいだ」
HARUは呟いて腰を上げると、インターフォンのパネルの元へ向かい、ボタンを操作した。
ピッピッと小さく響く機械の解除音。

「さて」

HARUがゆっくりとこちらへ近づいてくる。
すれ違い様に景斗の右肩へポンと手の平を置いた。

「あとは姫に決めてもらおうか」

そう告げると、HARUは玄関へと歩き出した。ユウを迎えるのだろう。
その自信満々な背中を、景斗はじっと睨みつける。

ユウはなんと言うだろうか。
想像して、いや、と首を振った。

ユウが何と言おうが。
連れて帰る。
HARUとの壊れた関係を、終わらせる。


玄関のドアが開いた。
やがて、HARUの身体の影から、小さな彼女が姿を現した。
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