2・5次元の彼女
謝るなら今しかない。景斗は思い切って頭を下げた。

「ユウさん、本当にごめんなさい!」

3秒経って、5秒経って。
それでも何も言ってはくれないユウに、景斗は恐る恐る顔を上げる。
ちらりと覗き込んだ彼女の表情は固く強張っていた。

ひええ。
やっぱり怒ってる。

「酔いすぎてて、正直ほとんど覚えていないんだけど……
僕がユウさんにすごく失礼なことをしたってHARUから聞いて……
本当にごめん!」

景斗は再び大きく頭を下げた。
低い姿勢のまま、上目遣いで彼女を覗き込む。
「今までの関係に、戻れないかな……?」

ユウは複雑な表情を浮かべ、しばらく黙り込んだあと、ゆっくりと口を開いた。
「……ひとつ、条件があります」

彼女の言葉に少しだけ光が見えた気がして、景斗の目が輝く。
「……何?」

ユウはむくれた顔で呟いた。
「HARUの誤解を解いてください。
HARUは私と景斗が、そういうことをする関係だと思ってる」

景斗は思わず安堵のため息を漏らす。無理難題をふっかけられたらどうしようかと思っていた。
「それなら、もう解けてるから、大丈夫、安心して。
他にも、何か僕にできることがあれば、何でも言って」

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