2・5次元の彼女
「ちょっと、急に撮らないでよ!」

怒る私を気にもせず、HARUが液晶を確認してニヤニヤしている。

私が覗き込もうとすると、「だめ、プリントしてからのお楽しみ」そう言ってカメラを私の背の届かない位置に持ち上げた。

「やだー、変な顔とらないでよー」
「可愛いからだいじょうぶだって」

私は仕返しにHARUへとカメラを向けた。
が、
「あーだめ、俺、撮られ慣れてないから」
HARUは手で顔を隠し、撮られることを拒む。

「いいじゃん、1枚くらい。ほらーこっち向いてよー! はーるー!」
「やだ。俺は絶対振り返らないぞ」
「あっHARU危ない!」
「えっ?」

パチリ

私の声に驚いて振り向いたHARUにすかさずシャッターを切る。

HARUの斜め45度の表情が見事にフレームに収まって、私は喜びのあまり飛び跳ねた。

「やったー撮れたー」
「お前なあ」
HARUは呆れた声でため息をついた。

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