幸せそうな顔をみせて【完】
 結局私は副島新のベッドに寝ることになった。私が自分一人だけがベッドに寝るのは申し訳ないと何度も言うから、最後には諦めたのか副島新も溜め息を一つ零してから身体を横たえた。でも、少しの隙間が私と副島新の間にある。でも、その隙間を埋めるのにはまだ躊躇する。自分から望んだ状況にも拘わらず、私は妙に緊張していたからだった。


 時間は朝の五時くらいで、もうそろそろ夜が明けるようで、カーテンから差し込む光も次第に白くなっていた。


 そんな中…私は。


 今までの私ではありえないことをしたのだった。


 同じベッドに入っていても副島新は私に触れないよう端の方に寝ていた。私は熱もあってので一度寝たのもあるし、シャワーを浴びたものあるからほぼ眠気はない。何度か寝返りを打つけど、寝れなかった。横に寝ている副島新のことが気になって仕方ない。


 でも、副島新の方は最初は身体を固くしていたようだけど、時間が経つにつれ次第に規則的な息をし始めていた。最初はその規則的な息を聞いていたけど、私がそっと身体を横に向けると副島新は仰向けのまま、目を閉じていた。ぐっすりと寝ているようだった。


「寝たの?」


 そんな私の言葉に返事はない。少し身体をもたげて副島新の顔を見ると、本当に寝ているようだった。考えてみれば昨日の夜も一昨日の夜も普段は一人なのに急に私が泊まっているから疲れているのかもしれない。私は残念なくらいにぐっすりと寝たけど、副島新がどうだったのか知らない。

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