幸せそうな顔をみせて【完】
「どうぞ。飲まれるのはいいですが、何か作りますか?」
「いえ、お腹空いてないので」
夕方から何も食べてないからお腹は空いているのかもしれない。でも、ビールを飲んでいるからか、空腹は感じない。むしろ、何も食べることなんか出来ない気がする。
「そうですか。それなら何か必要な時は言ってください」
この甘さは優しい。
でも、優しいからこそ止まっていたはずの涙で瞳を揺らしてくる。私は砂糖菓子の甘さにまた一粒だけ涙を零し、またビールを飲みだしたのだった。忘れるくらいに飲んで、マスターにタクシーを呼んで貰って…自分の部屋に帰ろう。
そして…その後のことはその時に考えよう。そう思った。今は何を考えてもいい方向に考えが纏まらないような気がしてならなかった。
「ありがとうございます。帰る時にタクシーを呼んで貰えますか?」
「もちろんです」
ふと腕時計を見ると、この店に入ってかなりの時間が経っていた。人も私が気付かないうちに入れ替わっているのだろうけど、それさえも私には分からない。ビールの酔いは心地よく少しだけ胸の痛みを和らげてくれていた。文字通りお酒に逃げている私は自分の弱さを痛感したのだった。
空のグラスをいくつ並べたのか分からなくなるくらいまで飲み続ける私がビールを頼もうとビールのグラスを上げた瞬間、横から私の手はキュッと握られた。
「その辺でやめとけ」
「いえ、お腹空いてないので」
夕方から何も食べてないからお腹は空いているのかもしれない。でも、ビールを飲んでいるからか、空腹は感じない。むしろ、何も食べることなんか出来ない気がする。
「そうですか。それなら何か必要な時は言ってください」
この甘さは優しい。
でも、優しいからこそ止まっていたはずの涙で瞳を揺らしてくる。私は砂糖菓子の甘さにまた一粒だけ涙を零し、またビールを飲みだしたのだった。忘れるくらいに飲んで、マスターにタクシーを呼んで貰って…自分の部屋に帰ろう。
そして…その後のことはその時に考えよう。そう思った。今は何を考えてもいい方向に考えが纏まらないような気がしてならなかった。
「ありがとうございます。帰る時にタクシーを呼んで貰えますか?」
「もちろんです」
ふと腕時計を見ると、この店に入ってかなりの時間が経っていた。人も私が気付かないうちに入れ替わっているのだろうけど、それさえも私には分からない。ビールの酔いは心地よく少しだけ胸の痛みを和らげてくれていた。文字通りお酒に逃げている私は自分の弱さを痛感したのだった。
空のグラスをいくつ並べたのか分からなくなるくらいまで飲み続ける私がビールを頼もうとビールのグラスを上げた瞬間、横から私の手はキュッと握られた。
「その辺でやめとけ」