幸せそうな顔をみせて【完】
甘かったと思ったのはその直後のことだった。副島新はそのピンクサファイヤの指輪が気に入ったのか、一瞥すると、財布を取り出し、クレジットカードを取りだし私の方を見てもう一度ニッコリと笑った。その微笑みには有無を言わさない雰囲気を漂わせていて…。既に私が『いらない』とも『他のにします』ともいえない雰囲気だった。
葵に指輪をと言われて嬉しかったけど、まさかこんなに高いものが目の前に出されると正直躊躇する。貴金属にさほどの興味もない私には『豚に真珠』『猫に小判』だった。でも、それを私にという副島新の気持ちも嬉しかったから、どうしていいのか分からない。
そんな慌てる私の横で、店員さんはゆっくりとそして、確実に自分の仕事をこなして行くのだった。
「ありがとうございます。では、お会計をさせて貰いますので少々お待ちください」
「はい。クレジットカードで一回で」
「畏まりました。では、こちらでお待ちください」
恭しくお辞儀をされたかと思うと、店員は副島新の手からクレジットカードを受け取ると決済を始めたのだった。私はというと、右手に嵌ったピンクサファイヤの指輪がとっても眩しすぎてクラクラしそうになる。ちょっと待ってと叫びたかったけど、あまりに驚き過ぎて声も出ない。
高すぎる指輪は私にとっては重荷になってしまう。
二人でソファに座らせられると、流れるようにレジは進んでいく。そして、指輪は私の指に嵌ったまま、箱だけが紙袋に入れられて副島新に渡されたのだった。
葵に指輪をと言われて嬉しかったけど、まさかこんなに高いものが目の前に出されると正直躊躇する。貴金属にさほどの興味もない私には『豚に真珠』『猫に小判』だった。でも、それを私にという副島新の気持ちも嬉しかったから、どうしていいのか分からない。
そんな慌てる私の横で、店員さんはゆっくりとそして、確実に自分の仕事をこなして行くのだった。
「ありがとうございます。では、お会計をさせて貰いますので少々お待ちください」
「はい。クレジットカードで一回で」
「畏まりました。では、こちらでお待ちください」
恭しくお辞儀をされたかと思うと、店員は副島新の手からクレジットカードを受け取ると決済を始めたのだった。私はというと、右手に嵌ったピンクサファイヤの指輪がとっても眩しすぎてクラクラしそうになる。ちょっと待ってと叫びたかったけど、あまりに驚き過ぎて声も出ない。
高すぎる指輪は私にとっては重荷になってしまう。
二人でソファに座らせられると、流れるようにレジは進んでいく。そして、指輪は私の指に嵌ったまま、箱だけが紙袋に入れられて副島新に渡されたのだった。