嫌いになりたい
遊び人………っぽい…


見るからに女好きのする顔


「その女、誰よ!」


え…

あたし?


苛立ちを抑えられないのか、噛み付くような金切声


きっと今、直接対峙したら頬を張られてしまうかもしれない

そう思ってしまうほど…


サクがあたしの方を向き、そっと顔を寄せてきた

思わず後ずさる


「名前───教えて」


「宇佐美(うさみ)………亜弥(あや)」


何で?


耳元で囁かれそう思ったのに、考えるよりも先に口が動いていた


「そう、いい子だね」


頬にそっと口付けられる

優しく…ふんわりとした感触が、くすぐったい


「俺…これからラビと楽しむトコだから、悪いけど帰ってくれる?」


ラビ?

…って、何?


「何で?!私と付き合ってくれるんじゃなかったの?」


「───悪いけど…。俺重い女、嫌いなんだ。たかが一回寝たぐらいで彼女ヅラすんの、やめてくんない?」


目の前の修羅場に巻き込まれ、ただ茫然と立っていることしか出来ないあたし
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