嫌いになりたい
「全然気持ち良くなかった!ただ痛いだけだったもん!健太は自分のことばっかりで、あたしのこと全然気遣ってくれなかった。だから、もう二度としたくない!」


片足だけ脱がされたショーツとタイツを、急いで履く


「なぁ…。次はちゃんとするから」


「………したくないって、言ったでしょ」


「何で?一回も二回も一緒だろ」


「───最低っ!健太なんか大っ嫌い!もう別れる!」


コートと荷物を引っ掴み、彼の顔も見ずに家を飛び出した

お腹の奥の方と、両足の付け根に響く鈍い痛み


「………寒っ…」


少しでも健太から離れたくて、雪の降る中コートも着ずに走ったけれど

彼は追いかけても来ない


「ホワイトクリスマスなのに…」


ものすごく楽しみにしていたはずのクリスマスイブ

それがこんなにも悲しい日になるなんて、付き合いたての頃のあたしには想像もつかなかった


そして三学期

登校したあたしを待ち構えていたのは、学年中に広がった噂だった
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