嫌いになりたい
「あ」


「どうした?何か忘れ物か?」


急に声を上げたから、永野くんが目を丸くした


「違う違う」


「んじゃ、何?」


意味が分からないとでも言うように、眉間に皺を寄せたままあたしを見下ろす


「んー?皆が居てる前じゃ、変に誤解されそうだから…」


喋りながら鞄の中を漁り、奥の方からそれを引っ張り出した


「はい」


綺麗にラッピングされた細長い箱を手渡す


「え…?何、これ?」


「何って…。誕生日じゃん、永野くんの」


今日10月9日は、彼の26回目の誕生日らしい

プレゼントはネクタイ

焼けて少し黒い彼の肌に合うように、クリーム色のものをチョイスしてみた


「えっ!マジでっ?!」


「そんな大袈裟な」


目をキラキラさせて受け取る永野くん

その無邪気な笑顔を見てると、こっちまで笑顔になる


「永野くん、あたしの誕生日にプレゼントくれたじゃん。だからお返し」


そう

9月2日の誕生日…25歳になったあたしに、突然プレゼントをくれた

それも、皆が居る昼休みの職員室で…
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