嫌いになりたい
あ…


お風呂から上がってきてお水を飲んでいると

マナーモードを解除したスマホの着信音が、ベッドの方から聞こえた

折り返しを避けたくて、慌てて電話を取る

本来なら何か喋るべきなんだろうけれど

相手が誰だか分かっていないこともあって

耳にスマホを押し当てたまま、黙って相手の反応を待った


『………ラビ?』


その声に、体中の血が騒ぐ


『夜中にごめん』


ずっと聞きたかった声


『寝てた?………よな…』


「帰って来てからいつの間にか寝ちゃってたから、今さっきシャワー浴びてたトコ」


『そっか』


「何回も電話くれてたみたいなのに、気付かなくてごめんなさい」


『いや…。明日のこと、何も決めてないなーって思って。あ、もう今日か』


電話口で章吾の笑い声がする


そういえば


『お詫び』が出来てないから、今度の土曜にご飯へ行こうと約束したんだった
< 65 / 69 >

この作品をシェア

pagetop