オフィスの華には毒がある
「もう、大丈夫だから」


主任の言葉に頷くわたし。


まわりには、柔らかいピンクの薔薇が沢山沢山、花びらを散らしていて。

ぎゅっとしがみついた身体は、とても温かくて、いい匂いがして。


ああ、わたしはもう大丈夫なんだ、と安堵のため息をつく。


ぎゅうう、と更に強く抱き締められながら、ふと、

″あ、今日の下着なんだったっけ?″

と、思い立つ。


″あれ?もしかして、あの、今度こそ捨てようと思ってた変なベージュのおばちゃんみたいなパンツ履いてない?だってあれ履き心地いいんだもんなー、でもさすがにまずいでしょ。えーとえーと、どうしよう。大体わたし今日お風呂にまだ入ってないよね?あれ?今何時?ていうか何曜日?″


……!!!


バッと起き上がる。


背中になんか変な汗をかいているみたい。


枕元のスマホを確認すると、夜中の3時半。
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