オフィスの華には毒がある
斉木くんがバッと急に頭を下げたので、つい、その綺麗に染められた髪の毛を見つめる。


その、特徴的な緩いパーマのせいか、前は、社内の遠くからでも見つけられたっけな。


「来てくれて、ありがとうございます。俺の気持ち、信じてもらえるよう、頑張ります」


「ちょ、ちょ、頭を上げてってば……」


声が思いの外大きくて。
昨晩の土下座を、思い出す。


何だかこっちが申し訳ない気持ちになるわ、恥ずかしいわで、あわあわとしていると、


″ぎゅっ″


ばたばたとしていた手を捕まれる。


「手、つないでもいいですか?」


「……す、すでにつないでますけど……」


斉木くんが、にやっと悪い顔で笑う。


「作戦勝ちですよね、俺の」


……いや、勝ち負けじゃないし……。
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