オフィスの華には毒がある
新人塩井君に色んな意味で脅威を抱きながら午後の仕事をこなしていく。


出先から戻った主任を見かけたものの、取っ捕まえて『あの会議室の件、どういうことですか?』と聞こうとすると、何となく……余計なシーンが脳裏をよぎり、躊躇してしまった。


そうこうしているうちにどこかへ行ってしまったし。

会議室のあの跡地を片付けに行ったのかもな、と思ったけど、行く気になれなくて。


今更ながら、あの誕生日の夜、なんてことをしてしまったんだという思いと。
それ完全にシカトってどうなのよという思いと。
かといってあの件に関して何か言われても困るという思いと。


いーーーーっ!と頭をかきむしりたい気持ちをどうにか抑えつつパソコンに向かう。
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