オフィスの華には毒がある
地味で冴えないOLが、白馬ならぬ高級外車に乗ったどこぞの若社長だの御曹司だのに見初められ、強引に華やかな世界に連れ出されて『え、ウソ、これが本当のわたし……?!』なんてのは、所詮作り話であり、だからこそ面白いってことくらい、分かっている。


分不相応な夢なんて見ない。


わたしは、身の丈にあった地味な日々を送るんだ。


それが一番、平和。


恋人が今までいなかったわけじゃない。だけど、もう、どうやって人を好きになってどうやって関係を進めていくんだか、忘れてしまった。


傷つきたくない、と守りの体勢に入った30歳の辺りから、随分と不器用になってしまった気がする。(もともと決してその分野が得意だったわけではないけど)
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