オフィスの華には毒がある
「なんか、来期のカタログ作りに使うやつがどうのこうのって言ってましたけど」


いや、その、『どうのこうの』の部分が重要な気がするんだけど……。
言っても無駄な気がするのでパラパラと資料をめくる。


「に。しても」


環が楽しそうに顔を近づけてくる。


「知ってます?嶋本主任イケメン伝説」


「あのね、都市伝説ってのは、『もしかして』って思わせられるから面白いんであって……」


わたしの言葉に環がうんうんと頷く。


「そーなんですけど、なんか、学生の頃はモテモテだったとか、あのダサい眼鏡取ると滅茶苦茶かっこいいとか……」


二人で顔を見合わせてぷーーーっと吹き出す。


ナイナイ、そんな、夢物語。

わたし達の脳裏には同じことが浮かんだようで。

「さ。仕事しよしよ」


促して、環を自席に返す。
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