オフィスの華には毒がある
楽しげな宴の残骸を残したテーブルを挟んで、向かい合って座っている主任とわたし。


すぐ近くにいるのに、すごーく遠いような気持ち。


触れたいのに、わたしは彼に触れられない。
わたしの想いは、届かない。


みるみる視界が涙でぼやける。
ダメじゃん、フラれて泣くとか、中学生かっつーーーーの!


もうだめだ。泣いているって、ばれたくないから、顔が上げられない。


「俺には……遠藤さんを好きになる資格がないんだよ、前も言ったけど」


うわぁん!と本当なら大声で泣きたいのを我慢しているせいか、圧がかかったような耳に主任の声が響く。


「知ってます、フェ……木村さんと付き合っていることは分かってます、純粋に着実に恋の段階を踏んでいくお二人の邪魔をするつもりはありません!!」


お願いだから、これ以上惨めにさせないて。
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