elevator_girl

...カナちゃんと一緒くらいかと思った。
見た目の印象は、高校生、と言っても不自然じゃないくらいの子。
ふつうのジーンズに、白いヨット・パーカーを羽織っていて
小さな白いスニーカーは、しっかりと揃えられて。
その子は立っていた。


見ると、傍らに小さなコットンの袋、可愛らしいキャラクターのついた
..手作りだろう...を、下げていた。


「あ、ごめん。邪魔しちゃったかな。お弁当?」


深町は、自然ににこにこして。その子の目線に近づけようと
屈んで、話をしようとした。

昌子は、深町からすこし離れて立っていたが


深町の動きに、すこし緊張の面持ちを見せた。

深町はそれに気づき、努めて優しい雰囲気で接しようとした。
....どうしてこんなとこに、ひとりでいるんだろう....と、は思ったが


...ま、現実に居るんだから、それを考えても仕方ない。


と、彼らしい実際的な思考で、次の言葉を紡ごうとした。

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