クリスマスプレゼントは靴下に




きっと、今までの中での新記録だ!
私は、アスリート並の速さでサンダルを持って、通りに戻った。
あまりに早いから、彼もびっくりするかも…そんなことを思いながら、私は走り続けた。



(あ、あれ……?)



だけど、おかしなことに、そこにいるはずのイケメン君がいなかった。
私はあたりをきょろきょろと見まわした。
いない…どこにも…
もしかしたら、堪えきれずにトイレにでも行ったのかとしばらく待ってたけど、戻っても来ない。



(……どうして?)



意味がわからなかった。
さっきまで、あんなに優しかったのに……
サンダルを持って来る私を「ずっと」待ってるって言ったのに……



なにか落としものでもして、さっきの場所に戻ったんだろうかとか、靴を探して開いてる店を探しに行ったんじゃないかとか、思いつくままにあちこち行ってみたけど、彼の姿はどこにもなくて……
私は不安な気持ちを抱えつつ、まだ未練がましく通りのあたりをうろうろしていた。
すると…



「あれ……もしかして……」



彼を探し回ってるうちにいつの間にか時は流れ、通りには人の姿が増え始め、そして同じ職場の青山さんが通りがかった。



「あ、青山さん、おはよう。」

私はごく普通に挨拶をした。



「やっぱり中井さんだよね?……一体、どうしたの?」

「どうしたって……なにが?」

「なにって……そ、その……顔が……」

とても言いにくそうな青山さんの言葉に、私はようやくその意味を悟った。
そうだ……
私、昨夜号泣して……
今、ものすごい顔になってるんだ…!
社内旅行で温泉に行った時も、私は化粧を落とさなかったのに……



「わーーーーー!」



私はその場から駆け出し、タクシーを停めて家に向かった。
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