クリスマスプレゼントは靴下に
「……あんた、一体、何言ってんの?
今のあんたの言い方だと、まるで私がふられたみたいだけど……」

「え……だ、だって……」



言いにくそうに話し始めた前島に、私は驚くよりも呆れ果てた。
なんと、私は前島に恋をしていて、でも、それがなかなかうまくいかないもんだから、悩んで荒れて、この数日間、寝こんで休んでたということになっているらしい……
そっか!だから、みんなの様子がおかしかったんだ!



(あの猫女達め…!)



きっと、坂本さん達がこの馬鹿げた噂の元だと思う。
前に、私が前島のことを好きだとかなんとか、的外れなことを言ってたから…
それと、この間、青山さんに会ったのもきっとまずかったんだ。
ボロボロの私の姿が坂本さん達の話とちょうど符合して、それでなおさら信憑性が増してしまったのかもしれない……



ふと気付くと、前島は相変わらず私の前に立ち尽くしていた。
こいつ、そんな根も葉もないうわさを信じて…そう思うと、顔を見るだけで、なんだか苛々してくる。



「あのねぇ…前島。
あんたが私のこと好きじゃないのと同じように、私もあんたを男として見た事ないの。
全然興味ナッシング!アウトオブ眼中!」

「……なんすか、それ?」

「な、なんだって良いの!
とにかく、あんたのことなんてなんとも思ってないから。」

私がそう言った時に、前島が微かに笑った。
なに、こいつ……
私が無理して、見栄張って言ってるとでも思ってんの?
あんた、どこまで自信家なんですか!?



「あのね…私の好きなタイプはもっと大人の男性なの。
……それに、ね……私、付き合ってる人……いるから。」

「えっ!?」

前島は、目を丸くして声を上げた。



失礼な奴……
私に付き合ってる相手がいたら、なんでそんなに驚くのよ!?



って、まぁ、付き合ってる人がいるっていうのは嘘だけど……



「とにかく、そういうわけだから、おかしな誤解はしないでね。
迷惑だから。
じゃ……」



私はそう言い残し、振り向きもせずにひらひらと手を振った。
ははは、自信過剰の前島よ、落ち込め、落ちこめ~!
天狗の鼻をへしおってやった満足感に、私は大きく肩を揺らした。
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