甘い彼。
「うわぁ…桃っちスタイルいいね」


「そ、そんなことないよ瑠羽ちゃん」


「ほぉ…いい胸だ」


まじまじと見つめてくる瑠羽ちゃん。


すると…。


「きゃあ!!?瑠羽ちゃん!?」


「柔らかい」


「胸を触らないの!!」


もう…瑠羽ちゃんって、変態?


「にっしし~ところで桃っちはさぁ」


「うん?どうしたんですか?」


一段落して湯船に二人で浸かっていると話を切り出してきた瑠羽ちゃん。


「どこで奏っちに拾われたのー?」


どこで…?


「海です」


「なんでまたそんな所に」


「…あそこで、羽凜と出会ったから…出会った場所で終わらせてやろうと」


「自殺しようとしたの!?」


「…はい」


えへへと笑って見せると瑠羽ちゃんは泣きそうな顔をして抱きしめてきた。


「大丈夫、これからは僕たちが一緒にいるよ」


その声は震えている。


それでも私を安心させるように。


穏やかな声で。


私はまた泣いてしまった。

< 12 / 74 >

この作品をシェア

pagetop