立花課長は今日も不機嫌
その時、不意に浮かんだ立花さんの顔を慌てて振り払う。
立花さんに認めてもらいたい……?
なんてことはない、ない。
否定することに必死になる。
ともかく、その不具合を大急ぎで片づけて、タクシーを飛ばしてここまで来たのだった。
例の謝恩会、その夜だったのだ。
ホテルの大広間を貸し切った立食形式のパーティで、沙月が言っていた通り、みんないつもより華やいだ格好をしていた。
「もう乾杯も終わって、みんな好き勝手に飲み始まってる」
「そっか」
沙月も入江くんも、手にはグラスを持っていた。
それじゃ、私も……。
ちょうど通りがかったウエイターからロゼが入ったグラスをもらい、沙月たちと乾杯した。
「でも、ちょうどよかったかもしれない。社長や会長の長すぎる話を聞かずに済んだんだもん」
「そんなに長かったの?」