立花課長は今日も不機嫌
「30分ですよ、30分!」
入江くんが指を3本立てて力説する。
「30分……それは長いね。お疲れ様」
その反動もあるのか、周りのみんなは思い思いにグループを作って、テンション高く話していた。
「バニーちゃんにしなかったんだ」
「するわけないじゃない」
薄いイエローの膝丈ワンピを着た私を見て沙月が笑う。
「この前から、バニーちゃんって何なんですか? ねぇ、沙月さん、杏奈さん」
しつこく食い下がる入江くんそっちのけで、沙月に邪気のこもった視線を送る。
そして、羽織るものを持ってこなかったことを後悔したのは、ロゼを1杯飲み干したときだった。
会場を包む熱気に負けじとガンガンかかったクーラーが、肩を容赦なく冷やす。
両腕をさすりながら周りを見渡した。