立花課長は今日も不機嫌
「何がダメなんだよ」
立花さんの若干強い口調に、勢いが一瞬で弱まる。
「えっと……それは……」
良樹さんの言葉が頭をぐるぐる駆け巡る。
“海人はお酒を飲むと――……”
立花さんのそんな姿は見たくない。
いつもより力のない瞳が私に向けられる。
アルコールのせいだと分かっていながら、その視線がやたらと色気を含んでいるものだから、今頃になって、トクトクトクと存在をアピールし始めた鼓動。
静かすぎる部屋に二人でいる事実が、息を詰まらせる。
その眼差しが他の人に向けられることを想像して、胸の奥が痛くなった。