立花課長は今日も不機嫌

「佐伯?」


立花さんが私の顔を不思議顔で覗き込む。


「……お酒、飲んだらダメじゃないですか」

「別に、佐伯に迷惑かけるわけじゃないだろう」

「迷惑というか……」


そう言われると困ってしまう。
けれど、ここまで引っ張ってきた手前、今更引くわけにもいかない。


「お酒、飲めないんですよね?」

「まぁ、あまり得意ではない」


得意、不得意というか、そうではなくて……。

どんどん募っていくじれったさ。

さっきまで冷え冷えしていた肩も気にならないくらいに気持ちが一点に集中する。


「……キス」


思い切って、口火をきった。



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