立花課長は今日も不機嫌

何度も念押しすると、良樹さんは賑やかな空気を一緒に連れて、立花さんの部屋から出て行ってしまった。

途端に部屋が静まり返る。

初めて訪れた、しかもそれが立花さんの部屋だなんて、どうしたらいいんだろう。

身の置き所がなくて途方に暮れた。


フローリングにペタンと腰を下ろしたまま、改めて見回す。

清潔感のある白を基調にした部屋は、本棚に入りきらない難しそうな本が片隅に山積みされている以外は綺麗に整理整頓されていた。


彼女とのツーショット写真でもあるかもしれない……。
ドキドキしながら目だけで探ってみたけれど、それらしいものが何一つなくてちょっとホッとする。

立花さんの女性絡みの話は聞いたことがないけれど、それは私が今まで全く興味がなかったから耳を素通りしていたのか何なのか。


絵も写真も飾りも何もない殺風景なところが妙に立花さんらしくて、つい笑みがこぼれる。

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