立花課長は今日も不機嫌

「私の方こそ、いろいろすみませんでした。コーヒーとプリンもごちそうさまでした」


頭を軽く下げてから顔を上げると、そこには思いのほか優しい目をした立花さんがいて、落ち着いていたはずの胸が騒ぎ出す。

そこから目を外せないまま、無言状態が続く。


さすがに見つめ合ったままいることに苦しくなって、そっと目線を下げた。


ここへ呼び出したのは、この前の夜のことを話すためだったんだろうか。
それとも、まだ他に何か……?

そんなことをぼんやりと考えながら立花さんの出方を待っていると


「さて、本題だ」


立花さんが急に切り出した。
話はまた別にあるということだ。


もしかして、アルバイトを辞める期限を早めるとか?

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