立花課長は今日も不機嫌

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少し遅れる形でお店に出勤すると


「よかった、杏奈ちゃん。待ってたんだよ」


店長が控室入口でパッと顔を輝かせた。


「遅くなってしまってすみません」


私のことを待ってるなんて珍しい。
このところ指名してくれる岩瀬さんでも来てるんだろうか。

そんなことを考えていると


「来て早々申し訳ないんだけど、霧子さんをマンションまで送って行ってもらえないかな」


店長の口から出てきたのは、全く別のことだった。


「霧子さん、どうかしたんですか?」

「ものすごい熱なんだよ。無理して出勤してきてくれたんだけど、そんな状態のままお店に出てもらうわけにもいかなくてね」

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