立花課長は今日も不機嫌
「残念ながら、網タイツでは不十分だったようだな」
「――なっ……」
まくり上げたときとは対照的に優しい手つきで私のスカートを直すと、立花さんは再び私の前の椅子へ腰を下ろした。
テーブルの上で両手を組んで、私を真っ直ぐ見据える。
「副業が禁止されていることくらい分かっているだろう」
「……はい」
これ以上、シラは切り通せない。
素直に認めるしかなくて、背中を小さく丸める。
ショータイムに出なければよかった……。
足をぶんぶん振り回していたから、痣を見つけられたのだ。
大人しく座ったままでいれば、この痣を見つけられることはなかったのに。
懺悔の欠片どころか、出てくるのは後悔ばかり。
「服務規律違反だ」