立花課長は今日も不機嫌
だから立花さんも知っていたということなんだろうか……。
良樹さんが作ってくれたキールでひとまず気を落ち着けようと試みるけれど、再び視界の隅に入った立花さんの横顔に、落ち着くのを通り越して気分が沈んでいく。
「それにしてもビックリですよ。立花さんの一件が、まさか杏奈さん絡みだったとは」
入江くんの一言に、今度はハンマーで頭の上からドーンと叩かれたようだった。
スツールごと床に埋まってしまうんじゃないかとすら思った。
「それって、杏奈さんにとっての機密事項ですよね?」
「……当然でしょ。誰にも言えない」
「それじゃ、誰にも言わないかわりに、」
「……かわりに?」
入江くんの目が意地悪く細められる。
なんだか嫌な予感だ。
「沙月さんとの仲を取り持ってください」