立花課長は今日も不機嫌
「杏奈さんは知らないかもしれないですけど、男子社員の中じゃ、杏奈さんの太もものアザのことは有名な話ですよ?」
「え? 何で?」
つい大きくなってしまった声に自分で驚く。
それでも、チラッと見えた立花さんは、私のことなんて全く気にしていない様子だった。
我関せず、だ。
……仕方ない。
私は、他人以下なのだから。
そこでまたもや落ち込む。
「太ももって言っても、膝よりチョイ上くらいじゃないですか。だから、スカートの隙間からたまに見えるチラリズムっていうんですかね。セクシーだって、みんな言ってますよ」
知らぬは本人ばかりということ?
自分の知らないところでそんな噂話の対象になっていたことが、ちょっとした衝撃だった。