立花課長は今日も不機嫌
「でもっ、」
「決定的な証拠がなければ、取締役会に上げることはできない。つまり、このまま異動を受け入れる以外に道はないということだ」
「そんなの……イヤです」
最後の一言は小さく小さく。
自分に言い聞かせるつもりで発した。
なんとかして立花さんを救いたい。
私も原因の一つになっているのだから。
鳥塚専務の思惑通りになんて……させたくない。
でも、どうしたら……?
証拠となるべきメールは全て削除。
……削除?
――そうだ。
そこである人の顔が浮かんだ私。