立花課長は今日も不機嫌
「それじゃ何だ」
「これ、」
立花さんの顔の前にUSBを突き出す。
「……それは何だ」
「鳥塚専務が削除したメールです」
立花さんの顔つきが一瞬で変わった。
「……どういうことだ」
「復元したんです」
「……佐伯が?」
「いえ、ある人に頼みました」
立花さんは私の手からそれを奪い取るようにすると、自分のパソコンに挿した。
開かれるまでのほんの数秒でも待ちきれないのか、マウスを忙しなく動かす。
そうしてやっと開いたファイルに真剣な眼差しを注いだ。
きっと、これで大丈夫だ。
あとは立花さんにお任せしよう。