立花課長は今日も不機嫌
「お約束ですから」
「ですが……」
願い出た本人が迷っているらしい。
汗もかいていないのに、岩瀬さんがハンカチで額を拭う。
「いいんです。岩瀬さんのおかげで、全てうまくいったんですから。さ、行きましょ」
「は、はい……」
まだ戸惑っている岩瀬さんの腕を掴んで、身体の向きを変える。
……エレベーターはどこだろう?
グルっと視線を回転させていると、岩瀬さんが私の肩をチョンと小突いた。
「あの、あそこです……」
岩瀬さんが遠慮がちに指を差した。
「前もってリサーチしました」
恥ずかしそうに頭を掻く。