立花課長は今日も不機嫌
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会社帰りの足で私が向かったのは、市街地の外れにあるスタイリッシュな高級ホテルだった。
ベルボーイが開けてくれたガラス製の扉を抜け、広いロビーへと出る。
岩瀬さんを探してゆっくり足を進めると、視界の隅でソファから立ち上がった人影を捕えた。
私を見つけて、しきりと頭を上げ下げする。
「お待たせしてすみませんでした」
そのそばに歩み寄り頭を下げると
「いえいえっ、とんでもないです」
岩瀬さんは更に恐縮して腰を低くするのだった。
「あの、杏奈さん……本当によろしいんですか?」
激しい瞬きをしながら岩瀬さんが尋ねる。