立花課長は今日も不機嫌
立花さんが悔しそうにポツリと呟いたけれど、それがあまりにも小さすぎる声で、はっきりと聞き取れない。
でも……〝担がれた”って言った……?
沙月に?
……?
「それじゃ、どうしてこんなところにいるんだ」
「えっと、それは、」
「こ、このホテルの最上階にあるラウンジですっ」
私の代わりに岩瀬さんが早口で答えた。
「……ラウンジ?」
「そ、そうです。そこで一緒に飲みたかっただけなんです……」
どんどん小さくなっていく岩瀬さんの声。
なんでも、そこのラウンジから見える夜景の評判が良いらしく、岩瀬さんはそれを私と一緒に見たいということだったのだ。