立花課長は今日も不機嫌
耳に突き刺さるほどの車の音。
そして、私はそのまま地面へと転がったのだった。
けれど、驚いた以外には、身体のどこにも感じない異常。
それは立花さんが庇ってくれたおかげだと気付くまでに、そう時間はかからなかった。
私を抱き抱えるようにして倒れ込んだ立花さん。
私は立花さんを下敷きにしていたのだった。
「――立花さん!」
「ふ、二人とも大丈夫!?」
駆け寄った良樹さんが私たちに手を伸ばす。
「……私は大丈夫です」
手を借りて起き上がり、立花さんのそばに跪く。
「立花さん! 大丈夫ですか!?」
苦痛に歪めた表情の中、立花さんが目を開ける。