立花課長は今日も不機嫌
「ところで、杏奈、」
沙月が入江くんと私の間に割り込む。
「立花さんとはどうなったの? 二人きりでここへ来たってことは、うまくいったってことなんだよね?」
立花さんに聞こえないように声のトーンを落とす。
「うーん……」
正直、私にもそれは不確定なことで、素直に「うん」と頷けない。
好きだと言われたわけでもなければ、付き合おうと言われたわけでもない。
確たるものは、何もないのだから。
私はただ、立花さんの言動に翻弄されるばかり。
「ほら、そこの3人、たっぷり食べなさいよー」
良樹さんによって取り皿に大盛りにされた料理が、私たちの前に次々と置かれる。