立花課長は今日も不機嫌

そして、立花さんと一言も交わさないまま1時間ほどが過ぎたときだった。
トイレから出たところで、壁に腕組みをして立つ立花さんと出くわした。

私を見て、変わらず不機嫌顔を浮かべる。


「……あの、何か怒ってますか?」

「なんで」


強い語気に、つい怯む。


「いえ、何でもないです……」


そそくさと前を通ろうとしたところで、掴まれた手首。
立花さんに引き留められた。


「……立花さん?」


――っ。


不意に抱き締められて、息が止まりそうになる。


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