立花課長は今日も不機嫌

「“し”」


ドキドキと高鳴る胸。

次もすんなり書いてくれるだろうか……。


「“て”」

「……」


そこで、立花さんの手が止まる。


「……立花さん?」


私に鋭い視線を投げかける。


「何を書かせる気だ」

「何って……。あと2文字ですから、お願いします」

「そんなことを書かせてどうするつもりだ」

「……私、立花さんの書く字がすごく好きなんです」

「だから?」


……だから?
何て言おう……。



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