立花課長は今日も不機嫌
すんなり受け取ってもらえないかもしれないということは何となく想像していた。
でも、壊したのは私だし、こうして代わりの物も買ってしまった。
ここで「そうですか」と引き下がれないのだ。
「受け取っていただけないと私も困ります」
立花さんが私を見上げる。
私を観察するような瞳に怖気づきそうになりなったけれど、唇を噛み締めて堪える。
手を出してくれないのなら、デスクに置いてしまおう。
「それじゃ、失礼します!」
「あ、おいっ」
素早く紙袋を置くと、サッと身をひるがえして人事部の部屋から飛び出た。
……はぁ、緊張した。
未だ収まらないドキドキを終息させようと、情報統括課へ向かいながら何度も深く息を吸い込んだ。