立花課長は今日も不機嫌
「俺の大事な万年筆を事故死させたんだから、弁償は当然だろう」
怖すぎる一言に固まっていると、立花さんはこちらを見てフッと柔らかな笑みを漏らした。
……え?
笑ってくれたってことは……冗談?
本気なのか嘘なのか分かりにくい受け答えに苦慮していると、立花さんは手帳を切り取って、何やらサラサラと書き始めた。
それを私へと差し出す。
相変わらずの美しい文字。
そこには、数字が規則正しく並んでいた。
「プライベートナンバーだ」
……?
プライベート……ナンバー……?
ハイフンの位置から、それが携帯のナンバーだと推測できたものの……。